ケミカルピーリング2 | ニキビ痕を残さない

ケミカルピーリングガイドライン

日本皮膚科学会は、2001年に「ケミカルピーリングガイドライン」を作成し、2004年には改訂を行ないました。

 

その中に、ケミカルピーリング使用薬剤例としては、次のような薬剤が挙げられています。

 

・ α-ヒドロキシ酸(グリコール酸、乳酸)

・ トリクロロ酢酸(TCA)

・ サリチル酸

・ ジェスナー液

・ レチノイン酸

・ ベーカーゴードン液

・ フェノール            など

 

こうした薬品を疾患や状態に応じて使用します。

 

薬品の濃度を変えたり、時には数種類の薬剤を組み合わせて使用します。日本人の肌には、比較的安全にグリコール酸が使用できるようで、多くの施設で使われていますが、治療時の患者個々の皮膚の状態でピーリングの深さは変わってくるため、担当者は常に注意をお子ならないよう求めています。

ケミカルピーリングの手順

1. 洗顔をして、皮膚表面の汚れや油分を洗い落とします。必要な場合には、アセトンやエタノールの脱脂剤で更に皮脂をふきとる脱脂を施します。

 

2. ピーリング剤を塗ります。

 

3. ピーリング剤を除去、または中和します。

 

4. ピーリング終了後は、肌に生じた炎症をおさえる目的で冷却したり、場合によっては軟膏を塗るなど、患者の皮膚の状態に応じた対処をします。

ケミカルピーリングの適応疾患

ケミカルピーリングガイドライン2004によると、「にきび」は高い適応のある疾患だとされています。

 

現在、標準的な治療として外用や抗生剤の内服があげられますが、それらの治療でも治らないにきびでは、ケミカルピーリングが有効である場合があります。

 

その他にも適応のある疾患として、「しみ」(長年日光にあたっていたためにできるしみ、日焼けの後のしみなど)などがあります。また、用いる薬品によっては、前癌病変やしわなどの状態を改善することも検討されつつあります。

 

しかし、単に「しみ」と思いがちでも、中には悪性度の高い皮膚癌と診断がまぎらわしい場合もありますので、安易な自己診断は禁物です。まずは、皮膚科専門医にご相談されることをオススメします。